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C-KOM の FREE WALK AVENUE

「C-KOMのW杯(その2) W杯観戦記」

2002.09.22

下調べで判る宮城の遠さ
東京駅からW杯モード!
スタジアムへの道は全てラテン
お土産も買えないなんて…
いよいよW杯初観戦!
帰りの新幹線で日本vsロシア(笑)


チケット奮戦記で思わぬチケットが取れてしまったため、 急遽その翌日に宮城に赴くことになりました。対戦カードも「メキシコ vs エクアドル」という なんともマイナーなものでしたが、それでもW杯を生で観戦したい!という想いが勝りました。 しかし、150ドルのカテゴリ1チケットを手にした私は、このときまだ 「宮城って関東よりちょっと北だよな…」と、あらぬ勘違いをしたままでした。 それは福島のことじゃないだろうか…。

下調べで判る宮城の遠さ

宮城スタジアムの最寄駅は「利府」です。 利府といえば、SUPER BELL'Zの曲「MOTOR MAN 利府支線」(MOROT MAN III に収録)が頭に浮かびます。 「りふっりふっりふっりふっ、りふっりふっりふっりふっ、りふっりふっりふっりふっ、(ジャン)、終てーん、利府です」 というわずか37秒のしょうもない曲ですが、何故か頭から離れません。 早速、ジョルダンのページで時刻表を調べることにしました。 利府駅は、東京駅から東北新幹線やまびこで仙台駅まで行き、そこから東北本線で3駅のところにあります。 ところが私はここでようやく大きな勘違いに気が付きました。

「東京−仙台間だけで2時間以上?!」


そう、東京駅から仙台は「やまびこ」に乗ってなんと2時間00分かかります。 「Maxやまびこ」というのもありますが、こちらも時間はたいして変わりません(車両の形状だけ違う?)。 2時間とは…、だって東海道方面に向けてみれば、東京から名古屋まで「ひかり」に乗って 2時間02分ですからほぼ同じです。「のぞみ」を使えば京都ですら2時間17分で到着してしまいます。 つまり「京都日帰り旅行」と同レベル…、そう思うと途端にとんでもないことをしているような気がしてきました。 当初の私のイメージは茨城よりはちょっと遠い、という勘違いも甚だしいものでしたが、 よくよく見直してみると、茨城と宮城の間には「福島」という巨大な県が横たわっています。 どこか心の奥底で、宮城と福島を完全に混同していたようです。 今まで「宮城」というとちょっと身近なイメージがありましたが、 今回の件でそのイメージは完全に吹っ飛びました。 「宮城は京都と同じくらい遠方地だ!二度と忘れまい!!」

東京から仙台が2時間以上かかることは良く判りました。 しかし更に、武蔵小金井から東京まで40分、仙台から利府までが15分かかります。 すなわち利府駅まで片道3時間です。一日のうち往復に6時間、試合観戦に2時間、 昼食その他で1時間とって、最短でも9時間勝負です。実際は時間に余裕を持ったり、 混雑で遅れたりしますから、朝早く出発しても帰りは夜中になってしまいます。 ……いやいや、W杯が観られるのだから、と、私は首をブンブン振って気合を入れなおしました。 そして翌日の計画を立てます。試合開始は15時30分ですが、 余裕を持って13時には仙台駅に着きたいと思っていた私は、 東京駅11時08分発のやまびこ39号(仙台着13時08分)の指定席を取ることに決めました。 帰りの新幹線も19時台でいくつかアタリを付け、みどりの窓口に行くと、 往路のやまびこ39号は指定席を取れたものの、復路はどの新幹線も指定席を取れませんでした。

駅員「うーん、なにかイベントでもあるんですかねぇ…、あ、もしかしてサッカーとかあります?」
私「そうなんですよ…、私がまさにサッカーを見に行くんです」


そんな会話を交わしつつ、復路は自由席ということになってしまいました。 もし座れなかったら仙台から2時間立ちっぱなしだなぁ…。

東京駅からW杯モード!

いよいよ当日、小さめのかばんに必要なものを詰め込んで朝9時40分ごろに自宅を出発。 10時30分過ぎには東京駅に到着してしまいました。車内での暇潰しにとマンガ雑誌を買い込み、 いざ東北新幹線ホームへ。そのとき私自身は まだ「旅行モード」であって、「W杯モード」ではありませんでした。 ですから、そこで見た光景には度肝を抜かれました。


見渡す限り緑のメキシコ応援団!

こちらには黄色のエクアドル応援団が!


一瞬「ここドコ?」と混乱してしまうような光景…、 そう、東京駅のプラットフォームから既にW杯モードだったのです。 それもみんなメキシコやエクアドルから来た「本物のサポーター」ばかりです。 想像するに、国外から来た人達は皆、観光も兼ねて東京近辺に宿を取るのでしょう。 そして私と同じく当日に東京駅から宮城に向かうというわけです。 何となく大雑把に数えてみましたが、その数、メキシコ側600人、エクアドル側300人といったところでしょうか。 それだけでも圧倒されてしまうのに、ラテン系パワーは更に豪快です。なんと、

東京駅のホームで応援合戦を始めてしまいました

クシコックシコッ
クァドォックァドォッ


どちらもアクセントが同じです(^ ^;; メキシコ側にはドンタコスでお馴染みのメキシカンハット(笑)をかぶった人がいっぱいいて、 太鼓みたいなのをドンドン叩いて野太い声で叫んでいます。 あとで判ったことなのですが、メキシコとエクアドルは母国語が同じ(スペイン語)です。 メキシコ側とエクアドル側のサポーターがなにやら冷やかしあっている光景があちこちで見られました。 ケンカでも起こったりしないかと内心ヒヤヒヤしていたのですが、 どうもラテン系、明るいだけでなく人の良さそうな方が多いみたいです。 みんなニコニコ、W杯を観に行くのが嬉しくてしょうがないような表情をしていました。

新幹線やまびこに乗ってしまうと、あとは2時間退屈な時間が続きます。 車内でもメキシコ、エクアドル両サポーターがあちらこちらで見かけられますが、 それほど騒いでいる様子もなく、何事もなく順調に仙台へと近づいていきました。

スタジアムへの道は全てラテン

仙台駅にはほとんど予定通りの時間に到着しました。 とりあえず駅構内のラーメンショップみたいなところに入って適当に昼食を済ませ、 ここから先は看板などを見ながら行き当たりばったりの世界です。 壁にはあちらこちらにW杯用の案内図などが張られており、 スタジアムの座席位置(南・西ゲート/北・東ゲート)によってスタジアムまでの交通機関に別々のものを選択するように 注意書きがしてありました。南ゲートの私は当初の予定通り東北本線を使って利府駅に向かうことになり、 逆に北や東のゲートの人は地下鉄を使って泉中央駅に出ることになります。 初めての仙台駅に戸惑いながらも、案内に従って利府行きの東北本線が出るホームに向かいました。

到着した電車は始発だったか単に空いていたのか、私は車両の一番端の席にあっさり座れました。 発車まで数分あるので座って待っていると、その数分の間に緑色のユニフォームを着て 既にW杯モード全開のメキシコサポーターがどやどやと乗り込んで、発車時刻には結構な混雑になりました。 それにしてもさすがラテンの人はすっかりハイだな…、と思っていると、

あれ? その手に持っているのは、もしや「スーパードライ」じゃ…


そう、アサヒの生ビール「スーパードライ」です。 ガーン!! 彼らはまさに今、完全に全開です!(笑) 歌は歌うわ、メキシココールは鳴り止まないわ、走り出した列車は完全に「サッカー列車」と化しました。 私の隣の座席は私と同じくネットでチケットを取ったっぽい日本人でしたが、 私の正面の座席にはいかにも地元のおじさん、おばさん、女子高生2人が座っており、 苦笑いする者もあり、また、ちょっと嫌な顔をする者もあり…。 エクアドルサポーターの声も隣の車両あたりから聞こえてきます。 さぞかし普段の東北本線では考えられないムードだったことでしょう。

1分くらいしてメキシコサポーターの声がちょっと収まってきたとき、突然その人混みの中から 「…、クァドォッ…」 というあの応援がひと言だけ聞こえ、皆がハッとします。 なんと緑色のメキシコサポーターの群れの中に突然1人だけ まっ黄色なユニフォームを着たエクアドルサポーターを発見! 今まで上着でも重ねていて気が付かなかったのでしょうか?? それと気が付いたメキシコサポーターはにんまりと 「Buuuuuuuuuu-!!!」 とブーイングの嵐を浴びせ、 その勇気あるエクアドルサポーターはブーイングに押されてこそこそと隣の車両に逃げていきました。 特に殺伐とした雰囲気ではなく、本当にほほえましい茶化し合いの光景、これは一同大爆笑です。

1車両がメキシコ率100%になったところで、またメキシコサポーターの合唱が再開。 3分くらい歌い続けだったりして、途中駅でもホームの人が乗り込むのを躊躇するくらいの盛り上がりでした。 私はというと、初めて見るメキシコ応援団の光景にすっかりワクワクしています。 …と、しばらくすると突然、20歳くらいの若いメキシコサポーター(手にはスーパードライ ^_^;;)が、 私のほうを向き、左手を挙げて

「ヘェーイ!」とハイタッチのポーズを


取りました。突然のことにちょっと面食らってしまった私ですが、 すかさず右手を挙げて「イェーイ!」と仲良くハイタッチ(笑) すっかり異文化コミュニケーションの様相を呈してまいりました。 このメキシコサポーター、私の隣の日本人にもまた「ヘェーイ!」とハイタッチを求めますが、 この日本人のひとがちょっと人見知りなのか、あるいはうるさい応援で気を悪くしたのか、 気が付いているのに全然応じてくれません。ありゃぁ…、と思っていると、 そこはラテン系のメキシコサポーター、避けられているのをものともせず、 ニコニコしながら再度ハイタッチを要求しています。しかし日本人のほうはまだ応じてくれません。 ようやく3度めくらいでその日本人がハイタッチで応じてくれました。 するとまたにんまり私のほうを向いて、「ヘェーイ!」「イェーイ!」と2度めのハイタッチ(笑) そんなこんなで、メキシカントレインはコトコトと利府駅に向かっていきました…。

利府に到着するとびっくり!あたりに建物はほとんどありません…。 そこからシャトルバスで10分ほどで宮城スタジアムに着くのですが、 その間に見える光景はいかにも「米どころ」といった感じでした。 そしてしばらくすると、その景色とは全くマッチしない巨大な建造物が…、 そう、これ以上なく豪華に作られた巨大な競技場「宮城スタジアム」が現れました。 「巨額を投資した割に使い道がなく、大赤字になるだろう」 と悪いうわさの立つ宮城スタジアムですが、このときばかりはその出来に素直に感心してしまいました。


宮城スタジアム。とにかく立派!

仮装して士気の上がるメキシコサポーター。

エクアドルサポーターも大声で大はしゃぎ!

「書道」って…(汗、外国人向けの商売ですね。


バスを降りると、一斉にみんなスタジアムのほうへ階段を上っていきます。 セキュリティゲートを通過(カバンの中をチェックされたり)すると、 スタジアム前の広場は既に緑と黄のユニフォームを着たファンでいっぱいで、 あちこちで国旗を振ったり、ジャンプしながら歌を歌ったりしている光景を目にすることが出来ます。 あぁ、あのラテンの血を熱くさせているマッチがこれから始まるんだ…。そう実感する瞬間でした。

お土産も買えないなんて…

さてスタジアムセクションに入った私は、とっさに兄の言葉を思い出しました。

「公式ガイドブックを買ってくるの忘れちゃったから、買ってきてくれないか?」


…まぁ、公式ガイドくらい普通記念に買うよなぁ、と思い、軽い気持ちでOKしたのですが、 ここ宮城スタジアムに到着してみると、思わぬハプニングに遭遇します。

セキュリティゲートを超えたところに売店があり、そこに立ち寄ってみたのですが、 なんとオフィシャルガイドは売り切れ!しかもメキシコやエクアドルの旗やユニフォームなどのグッズも 全部売り切れ!!残っているのはFIFAのTシャツとか、関係無いアルゼンチンやクロアチアの旗とか ばかりでした。ちょっと不安になって、スタジアムの中に入ってからすぐに座席に行かず、 建物内の売店に直行しましたが、小さな仮テナントみたいなところに100人〜200人も人が群がっており、 とても前に進めません。仕方なくそこで後ろに並んで、少しずつ、少しずつ前に進もうとするのですが、 なにぶん先頭の人はそこでゆっくり品定めしている状態です…。わずか10メートルもないところまで行くのに 30分も並ぶ羽目になってしまいました。ところがその20分目くらいに、

「公式ガイドブックはいまので売り切れでーす! 繰り返します。
公式ガイドブックは売り切れましたーぁ!! 大変ごめんなさい!」


がーん!今まで何のために20分も並んでいたのだ…! しかしここまできて何も買わずに引き下がることも出来ません。 ようやく先頭に踊り出て 残り物の商品を 見回した私が買ったモノは、 き…記念にならない…(泣、せめてメキシコかエクアドルに関係するグッズを買って帰りたかった。 いや、そもそも公式ガイドが買えないなんて悲しすぎます。

このW杯、お土産ものに関しては「不手際」としか言いようのない状況でした。 とにかく買うものがない!何もないのです! W杯の会場に行ったら普通、 「2002ワールドカップまんじゅう」とか 「2002ワールドカップクッキー」とか、「2002ワールドカップ仕様サッカーボール」とか、 これでもかというくらいグッズやお土産ものが売っていると思うじゃないですか。 ところが今回のW杯では本当に何も買うものがありません。 思えば、開幕の数ヶ月前に気になるニュースが流れていました。 W杯用のグッズで儲けようと張り切っていたグッズメーカーが、 FIFAから差し止めを受けたというのです。 FIFA公認のお墨付きを与えられた企業以外は、FIFA公認のマークを付けられないどころか、 そもそもW杯に関連する商品で商売すること自体が権利違反だ、というクレームがFIFAから出たため、 軒並みグッズを作れなくなったというニュースです。

その結果が、"この有様" かい…。


現地に赴いて何も買うもののない私は、利権ビジネスの落とし穴に愕然とさせられました。

いよいよW杯初観戦!

いよいよスタジアムの中に入って試合開始を待ちます。 それにしても本当に大きい宮城スタジアム。 私、実は宮城スタジアムを仙台スタジアムと勘違いしていたところがあり、 そのイメージギャップにびっくりしてしまいました。 ベガルタ仙台のホームである仙台スタジアムは「サッカー専用場」なのですが、 この宮城スタジアムは陸上トラックもあり非常に広大です。 オリンピックでも開催できそうなスタジアムでした。 よく見るとバックスタンド側には数十席くらいポッカリと空席が続いたような場所が いくつか見受けられます。そう、バイロム社の販売が間に合わなかったのでしょう。 ちなみに私の座席はメインスタンド側で、カテゴリ1とはいえ「33列目」ですから グラウンドからは結構な距離があります。 実はこのあたりの席はあまり「メキシコ側」と「エクアドル側」を意識して売られていないようで、 私のすぐ前は数十人のメキシコサポーターが群がり、 私のすぐ右側にはエクアドルサポーターが同じように数十人群がっています。 この間に挟まれた私の席は、どちらを応援するにもはばかられる感じがします(笑) まぁ、今日は勝ち負けよりも試合そのものを楽しむか、と気楽に考えることにしました。

さて、会場のアナウンスが流れ、いよいよ選手が入場してきます。 おなじみのFIFA公式ソングが流れて緑と黄とのユニフォームを身にまとった選手たちが登場! 整列をしてそれぞれの国家を歌います。 メキシコ国家のときは近くの人はあまり歌っていなかったのですが、 エクアドル側のときには私の右側に陣取るサポーターが大声で大合唱! それもかなり真剣です。さすがこの試合を地球の裏側まで観に来た人たちだけあります。


本当に綺麗な宮城スタジアム

試合開始直前。アナウンスも盛り上がります

いよいよ整列、そして試合開始!

国家を斉唱するエクアドルサポーター


そして試合開始のホイッスルが鳴り、いよいよW杯の試合が目の前で始まりました。 北米予選を安定した力で勝ち上がり、W杯初戦も1-0でクロアチアを下しているメキシコと、 南米予選を勢いで突破し、W杯初戦はイタリアに0-2で完敗したエクアドル、 誰の予想でもメキシコ有利に思われていましたが、開始直後に思わぬ出来事が起こります。 なんと前半5分、 エクアドルのエースFWデルガドのヘッドがメキシコゴールを揺らします。 出会い頭の先制パンチ! これにはエクアドルサポーターが狂乱して喜びます。 観客席は一気にエクアドルムード一杯になり、メキシコサポーターは声も出ません。

ところが前半15分も過ぎる頃になると、流れは一転してメキシコの一方的な展開になってきます。 この試合、実はトータルで見ると メキシコのボール支配率は「63%」。 エクアドルの攻撃は実質最初の15分と最後の10分だけで、 残り65分くらいは全てメキシコの連続攻撃という感じになりました。 エクアドルがこぼれ球を拾っても、中盤にフィードするところを狙われてカットされ、 メキシコ陣内に入ることすらほとんどできません。 そして来るべき時が来ます。前半28分にFWボルゲッティのゴールで同点。 後半に入ってもメキシコの猛攻は止まらず、 FWブランコがゴール前で華麗にキープしてエクアドルDFを釘付けにし、 別の誰かがサポートに入ってシュートする展開が連続します。 そして後半9分、ペナルティエリアのわずか外からMFトラドのシュートが地を這うように 逆側のサイドネットに突き刺さり、遂に逆転! 今度は私の前側にいたメキシコサポーターが絶頂に達し、 自慢げに振り返ります。 エクアドルサポーターは意気消沈して、それを見守っているしかありません。

最後の20分くらいに、ようやくエクアドルが意を決して総攻撃に入り、流れを変えはじめます。 特に後半から入ったFWカルロス・テノリオが左サイドを切り裂く信じられないスピードを この会場でじかに見ることができたのは幸運でした。 普通、TVでサッカーを観戦する場合、ボールを持っている選手とその周りある程度の距離までしか カメラに収まりませんし、高速で移動する選手も、 それを追いかけるようにカメラを振らないと撮れませんので、 止まっている観客席などの背景との対比は良く判りません。 しかし実際にスタジアムで見るとそれが非常に良く判ります。 自分の視点ではスタジアム、グラウンドのような背景は止まっていて、 選手だけが高速に動きます。C.テノリオの移動する様といったら、

まるで獣のようです。


ほんとうに、ヒョウか何かが走っているのではないかと錯覚するくらいの、 素晴らしい動きでメキシコDFを翻弄してくれました。 しかし結局その反撃も実を結ぶことはなく、最終的に2-1でメキシコが勝利を収めました。 これで2連勝!喜びが溢れて止まらないメキシコサポーター。それとは対称的に、 2連敗で予選通過の可能性がほとんど無くなったエクアドルのサポーターは、 がっくりと肩を落としていました。


なんと開始5分でエクアドルが先制点!

狂乱して喜ぶエクアドルサポーター

「おいおい、大丈夫かよ…」
不安げに見つめるメキシコサポーターたち

しかし前半28分、後半9分にゴールして逆転!
試合は終始メキシコペースで進んだ。

2-1で勝利を収めたメキシコ。
最後にサポーターの大合唱。

なんと駅までの帰り道でウェーブが発生。
みんな何となく一体感な一日でした。


試合終了5分前くらいから、帰りの混雑を避けようと早めに席を立つ人たちが ポロポロと現れてきましたが、私から言わせてみれば 最後まで観ないで何が「観戦」か? という感じです(^_ ^; 勝利を信じて戦う両チームの選手・サポーター、 その人間模様が最も強く表に出るのが終了直後だと思います。 親子連れが帰っていくのを見て、「あの子には最後まで観せてあげたかったな…」 と思いました。私は試合終了から30分くらい経つまでその場に居ました。 メキシコサポーターは勝利に酔ってずっと合唱しているのも見物でした。

さて、帰りもシャトルバスで利府駅に向かうのですが、 そのシャトルバスに乗るまで人混み人混み人混みが続き、 なんと30分以上並びっぱなし となりました。やっとの思いでバスに乗り込んで利府駅にたどり着くと、 更に電車に乗るために並んでいる列が…。実はこのとき東北本線利府支線は W杯で増発しているのですが、それでも15分に1本くらいしか走っていません。 結局駅に着いてから電車に乗るまでに2本見送り、3本目に乗ったときには すでにまた30分以上を駅で費やしていました。 その間に駅前の広場では号外!が配られていました。 なんとメキシコがエクアドルを下したというニュースを この短時間の間に号外にして利府駅前に無料で配りに来ていたのです。 提供はスカイパーフェクTV。なかなか粋な広告戦略ですね。

帰りの新幹線で日本vsロシア(笑)

さて、お土産を買いそびれた私は、何も持たないのも何なので、 仙台駅に着いてお土産探しを敢行し、 無難なところで仙台名物「萩の月」を買ってきました。 これだけ遠方に旅行してお土産がこれだけというのも情けないものです…。 帰りの新幹線は自由席でしたが、普通に座ることができてホッと胸をなで下ろしました。 試合が終わってスタジアムを出たのが17時40分頃 だったのですが、 仙台駅で新幹線に乗ったのは20時15分頃でした。 どこで2時間30分以上も喰ってしまったのか…

新幹線に乗った私は、おもむろにラジオを取り出し、 周波数をあちこち変えてある番組を探していました。そう、この日の20時30分から 日本代表のW杯第2戦「日本 vs ロシア」 が始まるのです。私は帰りの新幹線での2時間、ほとんどこの試合に聞き入っていました。

新幹線という乗り物は、ラジオを聞くのに全く適していない


ということに、このとき初めて気が付きました。新幹線の線路は通常、遮音性のために 非常に高い壁に囲まれており、それだけでも聞きづらいのに、 新幹線はトンネルの多いこと多いこと!! 通常の音と雑音が半々と言った感じで、試合の全容を掴むだけでもひと苦労です。

「……ォール!!……ナモトぁ…稲…、な…
ニッポ……たー!つい……いぁ…たーー!!」


…判りません(笑) しかし日本が先制ゴールを挙げたと判ったときには、 こっそり座席でガッツポーズ!上野駅付近で遂にタイムアップとなり、 日本が歴史的勝利を挙げました。新幹線の中でもポソポソと話題になっていました。 「終わった?」「…終わった!逃げ切った!」小さな声があちこちから聞こえてきました。 あとでダイジェストを見たら、かなりオフサイドに近かったですけどね(笑)

結局自宅にたどり着いたのは23時30分頃でした。すなわち14時間の日帰り旅行です。 初めてのW杯観戦でしたが、いろいろ今までにない体験があって楽しかったです。 メキシコサポーターとのやりとりとか、テノリオの驚異的なスピードとか、 今も頭の中にしっかりと焼き付いています。 私の生きている間にはもう2度と日本でW杯が観られることはないでしょうから (結果的にこのW杯はいろいろ不評な出来事もありましたから・苦笑)、 これは本当にかけがえのない経験でした。 手元に残ったチケット(半券)もずっと残しておきたいと思います。

 

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