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C-KOM の FREE WALK AVENUE

「つかえない!? iモード」

2000.06.24

N502iは人気で品薄
豊富になったiモードメニュー一覧
iモードメイルの使い道
やはり遅い。「回線」としてのiモード。
電話とデータ、ライフスタイル
やっぱりPHSのほうがよかったじゃん

「携帯電話」というと、なんだかとってもビジネスおやじちっくな感じがしますが、 「ケータイ」と書くととってもカジュアル原宿女子高生みたいな感じでグーです(笑)。 私はこの「ケータイ」という記述方法の固有名詞化がとてもお気に入りです。 さて、生まれてこの方一度もケータイを所持したことのない私でしたが、 DoCoMoの大人気iモード端末「N502i」のデザインにクラクラっと来て、 晴れてケータイを購入することとなりました。が、使ってみるとDoCoMoのiモード、 期待していたほどの魅力は無かったような……。

N502iは人気で品薄

さる友人に「NECのN502iって凄いよ」という話を聞いたのが3月中頃でした。 当時その友人はNECのN501iという、N502iの1つ前の機種を使っていたのですが、 「N502iはN501iより軽いし、ボタンも押しやすいし、丸みを帯びて格好良いし、 あー、今すぐ乗り換えたいくらいだよー。今から買うなら絶対これだって!」 と、前々から「そろそろケータイを…」とこぼしていた私に薦めてくれました。 実際、店頭でさわってみると、非常に使い心地良さそうなのです。折り畳みで大画面、 操作ボタンなども他社のと比べると非常に押しやすくて、ツールとして洗練されているのが ありありと伺えました。

ちなみに私は、前々からiモードを使ってみたかったので、選考リストの中には 502iシリーズしか頭にありませんでした。当時発売されていたのは「N」(NEC)、 「F」(富士通)、「D」(三菱)の3種類で(少し後に「P」(松下)、「NM」(ノキア)が出ましたが)、 ユーザの棲み分けも非常にシンプルでした。Fはカラーで小型でファッショナブルで 女性に受け、Dはカラー中画面でオールマイティタイプ、Nはモノクロ大画面で ヘビーユーザかお年寄り向け、といった具合です。

そもそも電話として使う気が全然ない私にとっては


小型だとかカラーだとかいう点は全然魅力に感じませんでしたので、 わりと迷いもせずN502iに決定し、あちこちを探し回りました。

ところがこれが全然見つかりません。回るところ回るところ、どこも 展示だけはされているのですが、「品切れ 入荷待ち1カ月」のような 店ばかりで唖然としてしまいました。「D」もありません。「Fならすぐ出るんですけどね〜」とか いわれて「おいおい大丈夫か富士通!?」と感じたりもしましたが(^ ^; そこはそれ、 ターゲッティングが違うのでいろいろ事情はあるのでしょう。

なんだかんだで結構足と電話を使うこと1週間くらい、ようやく東大和の上新電機で 「たぶん…1週間くらいで入荷できると思います、たぶん…」と頼りない返事をいただいたので、 そこで予約することにしました。ちなみに、色はクレセントシルバー。数日前に別の店で 「ストロベリーカラーなら1台出せるんですが〜」 と言われたのですが、それは振り切りました(笑) (注:上記の友人(男)は後にストロベリーカラーを購入しました。ツワモノです) 料金は基本料が安く通話料が高いプランBを選択、iモードへの加入も忘れずに行いました。

10日後、実際にモノが届いて引き渡しを行い、これで晴れてiモードユーザです。 諸々のマニュアルがiモード特製バッグ(というか手さげ)に入っているのがシャレています。 (本当にシャレが効いて笑える、というだけで、おしゃれなわけではありません(笑))

豊富になったiモードメニュー一覧

さて、持ち帰って早速iモードを使ってみよう、ということになったのですが、 iモードのサービス利用開始は申し込みの翌日からということで、持ち帰ったその日は iモードはまだ使えません。それよりも何よりも、まずはN502iのマニュアルと にらめっこしながら、操作方法の体得と各種設定作業に追われることとなります。 何と言っても、このケータイのボタンで入力作業をするのがいかに辛いか この時初めて判りました。 買ったその日からiボードが欲しくなってしまうほどです(買っていませんが)。 この印象は今でも全く変わっていません。

iモード公式メニュー一覧
ニュース/情報 モバイルバンキング
カード/証券/保険 トラベル
チケット/リビング グルメ/レシピ
エンターテイメント タウン情報/行政
辞書/便利ツール モバイルタウンページ
関東甲信越 iモードメールplus
地域別 50音別
iパケット通信料照会 eビリング
翌日の朝9時からiモードが使用可能になりました。ところでこのiモード、 どれだけのメニューがあるかご存じですか?

iモードメニューを表示すると、左記のようにトップメニューが16個並んで表示されます。 このメニューから辿れるサイトはiモードの「公式サイト」と呼ばれ、 その数は800を越えるというから驚きです。メニューからではなく、直接URLを 打ち込むことによって表示される「非公式サイト」に至っては、数千という単位と なり、iモードで何でもできる、夢の世界が待ち受けていそうな感じです。

ところが現実はそうもいきません。そもそも現在、自宅のPCでインターネットの情報を 湯水のように使えるようになったのは、通信の料金と速度が劇的に改善されてからの話で、 昔は本当に、電話代におびえながらできるだけ効率よくアクセスしてすぐ切断する、という アクセススタイルが一般的でした。現状のiモードは言ってみれば、 このインターネット原始時代とも呼べる利用スタイルによく似ています。 iモードは通信時間ではなくて、通信量(パケット数)に応じて従量課金されるのですが、 何も考えずに使っていると、その料金はどんどん跳ね上がってしまいます。月3500円の基本料金に さらに数千円のiモード使用量を取られてはキツイので、自然と「本当に必要な情報へのアクセス」 に限った利用を強いられるでしょう。

すると、iモードの利点が根本から覆されたようなイメージに一転します。 先ほどの豊富なメニューが、実はどれもこれも「そんなに必要な情報ではない」 ように思えてくるからです。ニュース、バンキング、チケット予約などなど、 どれも自宅のPCからできるものばかりです。よほど急ぎの用事でない限り、 パケット通信料に追われてオロオロしながら利用するほどの価値は見出せない というのが本音です。

結局、私は現在、iモードメニューをほとんど使っていません。自宅の通信環境に 有る程度お金を掛けているヘビーネッター(?)にとっては、iモードによる ネットサービスの利用はそれほど有意義ではないのではと感じているところです。

iモードメイルの使い道

私がiモードのケータイを選択した大きな理由の1つに、メイルの着信確認がありました。 これはかなり重宝している機能です。具体的には、@niftyに届いたメイルを iモードのアドレス(c-kom@docomo.ne.jp)にコピー転送するように設定します。 これで、@niftyにメイルが届くとN502iにもメイルが届きます。しかもこちらから アクセスしなくてもプッシュ配信で送られてくるのがミソです。メイルは最大250文字しか 転送されませんが、「送り主」「表題」「最初のほうの文章」が確認できれば、すぐに 返事を出さなければいけないものかどうかくらいは判別がつきますので、それなりのアクションを 起こすことができます。私の場合、一緒にモバイルギアを持ち歩くことが多いですので、 本当にアクションが必要な場合はそちらから@niftyのメイルを取り込んで、 返事を書くようにもしています。

さて、iモードのメイル機能を着信確認に使うというのは、あくまで1つの利用法に過ぎません。 本来の使い方は何と言っても「iモード同士でのメイル交換」です。つまり友達同士などで 「やっほー、今元気ー?」とか 「今夜7時に新宿アルタ前集合ね、よろしくー」とかいうように、 簡単なメッセージ送信の道具として使うわけです。メイルやFAXは、相手が都合の良いときに内容を確認できる という点で、電話より優れています。iモードメイルは他愛ないおしゃべりや、連絡事項の伝達にはもってこいの仕組みです。

しかし、これはライフスタイルの問題かもしれませんが、私の場合は、実際に着信確認以上の意味でiモードメイルの お世話になったことはありません。高校生、大学生のおしゃべり連絡には丁度良いかもしれませんし、 逆にもの凄く忙しい営業ビジネスマンへの連絡としても重宝するかもしれませんが、 その中間層である一般の社会人としては、250文字の連絡事項がキャピキャピと 頻繁に飛び交うような生活はおそらく希でしょう。かくいう私も、定期的にPCメイルで連絡を取っているケースと、 急ぎ、あるいはニュアンスを伝えたいために音声電話で直接連絡を取るケースの2種類で、 ライフスタイルのほぼ全てが問題なくカバーできてしまっています。 そもそもケータイでは文章の入力が面倒くさいため、iモードメイルの入力に 5分も10分もかかっているようでは、あまり便利とは言えません。 この間も電車の中で一所懸命メイル文章を手入力している学生さんがいましたが、 ほんのわずかな文章らしいのに、脇で見ている私の方が疲れてくるくらい大変そうです…。 今でもiモードメイルが届くと、「これを打つのにどれくらい掛かったのかな〜」 などと、いらぬ心配をせずにはいられません(笑)

やはり遅い。「回線」としてのiモード。

ちなみに、N502iは電話としては有る程度重宝に使わせてもらっているのですが、 ここではデータ通信に絞って話を進めます。もう1つの使い道は、データ通信の 電話回線としてケータイを使う方法です。すなわち、ノートPCやPDAに繋いで、 メイルの送受信を行ったり、WWWを閲覧したりすることが可能です。 私はモバイルギアを持ち歩いていまして、@niftyに届いたメイルの 受信、その返事の送信などを外出先で行うことが結構あります。 こちらは着信確認とは違い、ちゃんとメイルの全文を扱えますので、 本格的なメイル環境が場所に束縛されずに利用できることになります。 上述の通り、iモードメイルでは何かと不満の出るヘビーユーザの私は、 最近はもっぱらこの使用方法が中心となっています。自宅のメイラーでも モバイルギアのメイラーでも、POPサーバにメイルを残す設定にしておけば、 どちらからも同じメッセージが受信できます。

しかし、頻繁に利用しているとはいえ、やはり不満はあります。何と言っても 通信速度が最大9600Kbpsというケータイの特性はどうすることもできません。 POPサーバに接続するまでに、長いと2分くらいかかりますし、それからメイルを受信するのも、 短いモノでも1件30秒ほど掛かります。10件もあると結構イライラしながら 待つことになります。

「あ〜この時間ずっとケータイ通話料が…」


という、iモードメニュー利用時と同じ思いが頭をよぎりますし、そもそも回線が 不安定なものですから、途中で「回線切れちゃいました〜、えへっ☆」 みたいな感じで、悪びれもなく受信を停止したりもします。調子が良いときは良いのですが、 調子が悪いと、これほどストレスの溜まる作業はありません。 ましてやこの回線環境でWWWサーフィン(表現古い…)をしようというのは、 ちょっと無謀というものでしょう。私もWWWを見る場合には、よほど見たい情報があるときに、 ピンポイントでそのサイトのURLを打ち込んで見に行くようなやり方に限定しています。

電話とデータ、ライフスタイル

さんざんiモードの悪口ばかり書いてしまいましたが、要するにiモードを便利と 思うか否かは、まさに「ライフスタイルの差」であると思います。誤解を恐れずに言えば、 自宅のPCに十分な通信環境を持ち、インターネットでメイルやWWWを十分堪能しているような ユーザは、そのライフスタイルにiモードを追加しても、それほど恩恵らしきモノは受けられないのでは? というのが私の感想です。逆に、パソコンよりもケータイのほうが馴染みが深いし、自宅にPCはない、 あるいはあってもあまり通信に使っていないようなユーザの場合は、自宅のPCで必要以上の 通信費を掛けるよりもiモードで手軽にネットサービスを活用できるほうが嬉しいと思います。 iモードメイルにしても、長いメイルをパソコンのキーボードから打つのに慣れているユーザは、 あまり有効な連絡手段として活用できないかもしれませんが、もとよりケータイだけを使用する ユーザ層であれば、逆に、そのiモードメイルだけで十分コミュニケーションが取れるような コミュニティ(というか友人グループ)を形成し、育てていくことができるでしょう。

この先、iモードがどのような変遷を遂げていくのか判りませんが、 とりあえず今のところは、パソコンのヘビーユーザでない層に対してのメリットが 強いという印象です。ちなみに、iモード端末の爆発的な普及で躍進中のNTT DoCoMoですが、 その利益の内訳はほとんどが電話代(基本料+通話料)で、iモード利用料(パケット通信量+ サービス利用料の料金徴収代行手数料)だけ見れば、なんとプラスマイナス0だそうです。 似たようなサービスを展開するJ-PHONE、DDI、IDO、ツーカーも、今後のサービス展開には 頭を悩ませるところででしょう。逆に言えば、いち早く 「無くてはならないサービス」 を 作り上げたところが、儲けをゴッソリと持っていくことができるのではないでしょうか。

やっぱりPHSのほうがよかったじゃん

ふと我に返ってみると、N502iは モバイルギア専用モデムの地位に甘んじています(苦笑) これではいくらなんでも、iモード端末の名が廃ります。第一、電話回線として通信するのであれば、 PHSを買って64Kbpsで通信すれば、今よりずっとずっとず〜〜っと快適なハズなのです。 ほら、江口洋介とトータス松本が宣伝してるじゃないですか。H”(エッヂ)でカチッとインターネットできちゃうわけですよ(笑)

というわけで、少なくとも私のライフスタイルと照らし合わせてみれば、PHSの方がお得なようです。 みなさんも是非ご自分のライフスタイルに合わせたケータイというものを考えてみてはいかがでしょうか。

でも、そうこうしているうちに、「IMT-2000」の発動は間近に迫っています。 来年半ば頃からサービスが始まるというこの次世代携帯電話規格は、W-CDMAと呼ばれる規格(DoCoMo/J-PHONE陣営)と、 cdma2000と呼ばれる規格(DDI&IDO/ツーカー陣営)の2種類がありますが、いずれも移動時は最大384Kbps、 静止時は最大2Mbpsというべらぼうに高速なデータ通信を誇ります。 登場当初は高額になることが予想され、 万人向けになるのは更にもう少し先になると予想されていますが、そんな技術を手にした我々は、果たして どんな悩みを抱えているのでしょうか? 電車の中で友達とテレビ電話すると画像が乱れるから不便だ、とか?(笑)

 

ご意見、ご感想は、 とらんぱ伝言板 または、 C-KOM(c-kom@mbf.nifty.com) まで。

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