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C-KOM の FREE WALK AVENUE

「ブロードバンドがやってきた!−ADSL日記」

2001.04.14

フレッツADSLを待ちきれない〜
先にノートとワイヤレス
ADSLおまちかね日記
ブロードバンドがやってきた!
ブロードバンドのほんの入り口?

ブロードバンド、それは今や「IT革命」(これもなんだかなぁと思いますが)に必須のキーワード として市民権を得つつある夢のアイテムです。ちょっと前まではインターネットってどうやるの? という感じの空気が蔓延していたのですが、今や普通の本屋さんに「ADSLって何?」 「CATVで高速インターネット!」という感じの本(雑誌の特集ではなく)が売られるようになり、 「あぁ〜人類の歴史ってやっぱりマニア化の繰り返しだよね」とちょっと嬉しかったりします(笑) そんなブロードバンドが、ついに私の家にもやって来ました。キャリアはe-Accessです。

フレッツADSLを待ちきれない〜

フレッツISDNを2000年9月から導入して3ヶ月後の2000年12月、我が家に最初のブロードバンドの可能性が 開けました。そのキャリアの名前は 「J-COM @NetHome」。

私の契約しているケーブルテレビ会社なのですが、2000年の後半から@NetHomeという会社と提携して 各地でCATVインターネットのサービスを始めたのです。このJ-COM @NetHomeは、もともと日本で 有数のブロードバンドインターネット接続業者「タイタス・コミュニケーションズ」も買収し、 日本では指折りのCATVインターネット会社となっていました。そのJ-COMが、私の住む東京都小金井市 に2000年12月からサービスを提供するというので、私も楽しみに、楽しみにその日を待っていました。

しかし


サービスが始まるまでの間に情報収集をしていると、CATVインターネットユーザのコミュニティ 「CATV研究所」で、たくさんの人が J-COMに不満をまき散らしているのを目にしました。 理由はただ1つ、J-COMの隷約には「ルータの設置禁止」という条項があったのです。 ルータは複数台のパソコンからインターネットに接続できるようにするための必須アイテムで、 これがないとパソコンが何台あっても、そのうち1台からしかインターネットに繋げません。 J-COMは複数台のパソコンが同時に繋がるとセンターに負荷が掛かりすぎるため、 複数台を繋げるためにはJ-COMに申請を求め、追加料金を請求するという方針を持っていました。 もちろん私は、J-COMとの契約を見送ることに決め(="=;)、 ADSLの登場を待つことにしたのです。

年は明けて2001年1月、NTTの提供するフレッツADSLからは 首都圏各地のADSL開通予定日が公表されていました。小金井市は3月から。同じ時期に民間のADSLキャリア e-Accessは2月からとなっていましたが、 フレッツADSLはプロバイダの切り替えが簡単なのに対し、e-Accessはプロバイダを決め打ちしてから 加入しなければなりません。最初は「とりあえずフレッツのほうを待つか…」と割り切っていました。 しかし2月初め、ついに待ちきれなくなり(^_^;、 e-Accessのとの契約を決意しました。ちなみにもう1つ有名なキャリア「東京めたりっく通信」がありますが、 当時はプロバイダ事業とセット(めたりっく自体がプロバイダ)の選択肢しかありませんでしたので、 @niftyを手放せない私としては対象外でした。

先にノートとワイヤレス

ADSLの導入を決めた私は、ADSLそのものよりも導入後の家庭内LANのほうをどうしようかと考えていました。 今までは2階の部屋にPCが2台あるだけだったのですが、前々から1階の居間で使えるノートPCが欲しいと 考えていましたので、これを機会に一気に、ノートPCを購入して無線LANで接続 してみようかなぁ…、と

思い立ったが3年目


です。その日からノート購入に向けてNEC、富士通、IBM、東芝、Panasonic、SHARP、日立などのノートを あれこれ調べ、結局デザインの差でPanasonicの Let's note CF-L1GA にアタリをつけました。そこでとりあえず Sofmap.comなどで値段を調べていたのですが、そのとき、ふと何を思ったのか、 「Yahoo!オークションってどうなのかな?」 と思い立ち、何気なく検索してみました。するとヒットするではありませんか。 中古なら問題なく見送るところですが、未開封品で、それも個人ではなく街の家電屋さんが 出品しているものでした。おかしなことに、初期価格は17.4万円なのに入札者はありません。 というのも、Sofmapやヨドバシが21.9万円を付けている時期でしたので、これらの店が 10%のポイントを付けらくらいでは 比較にならないくらいの安さなのです。結局これに入札してみることに決め、早速入札してみると、 なんとオークションは

その場で終了し、落札決定!(笑)


どうも入札者が出た時点で終了するようになっていたらしいのです。 何はともあれめでたく安値で落札できてしまいました。その出品者の店舗が 東京郊外でしたので、宅配&振込ではなく店舗に直接出向いて受け取りを してきましたが、何の問題もなく取引は完了。ノートPCも何の問題もない良品で、 もの凄く良い買い物でした(^_^)

その翌日にはCoregaの無線LANキット「Wireless LAN SetRS-11」(無線APと無線PCカードのセット) を買い、TAと繋いで、デスクトップとノート両方からフレッツISDN経由でインターネットできる 環境が出来上がりました。ノートを1階、無線APを2階に設置しましたので、無線がちゃんととどくか 心配だったのですが(実は我が家の1階はケータイの電波が届かないというヘンな環境です…)、 通信効率は75%程度を保っているようで問題はありませんでした。あとは無線電波がウチのワンちゃん に影響を与えたりするとヤですが、いまのところ大丈夫なので ほっとしています。

ADSLおまちかね日記

この日記は申し込みの日から開通の日まで、毎日リアルタイムに書き込んだメモです。


2/7(水) Let's note CF-L1GAを落札
2/8(木) Let's note 店頭引渡し。
2/9(金) Corega Wireless LAN SetRS-11 購入
2/10(土)
2/11(日)
2/12(月)
2/13(火) @niftyのサイトからブロードバンドオプションを申し込み。
2/14(水) @niftyからスケジュールに関するメイルが届く。 それによると、申し込み後にNTT適合調査に5営業日、NTT局内工事に7営業日で合計12営業日、 ISDNからアナログの変更が必要な場合はに加えて数日が掛かるという。
2/15(木)
2/16(金)
2/17(土)
2/18(日)
2/19(月) いつの間にか、eAccessのサイトの開局予定判定で、 小金井市が「2月開局予定」から「サービス提供済」になっているのに気づく。
2/20(火)
2/21(水) NTT(ADSLの部署)から電話。適合判定はOKとのこと。 116に電話してISDNをアナログ回線に変更するように言われる。 116に電話(NTT小金井)。ISDNからアナログ回線に変更予約。日取りは2/23のAM。 電話番号を変更せずに可能だった。(もともとアナログだった回線なので 当然といえば当然。ISDN化のときも番号は変わっていない) NTT(ADSLの部署)から再び電話。 回線変更の日取りを伝える。eAccessから連絡があるから待つように、と言われる。
2/22(木)
2/23(金) 回線変更予定日
午前9時頃、ケータイに電話があるが、電車の中なので取らない(笑) 多分NTTが回線切り替えのアナウンスをしてきたのだろう。 家に戻るとちゃんとアナログに切り替わっている。 モデムにつなぎなおすが、いろいろトラブルが発生する。 (原因はルータから接続→パスワード間違い→デスクトップで接続→TCPがなかったため×。 この2つで「モデムが悪いのでは?」と疑ったために解決に酷く遠回りをした)
2/24(土) なんか調子が悪い。 APRS-11の自動ダイヤルアップがうまく動かない ときが多く、APのリセットを繰り返す。
2/25(日) @niftyのADSL開通予定確認ページを見ると、適合検査が2/21、開通予定が3/2と表示された。 eAccessとNIFTYは土日もお仕事をしているのだろうか?ご苦労様である。 とにかく仮にせよ開通日が決まったのは嬉しい。不正確でもいいからこうやって書いてくれると安心できる。
2/26(月) 兄のDIONを解約。電話でしか解約出来ない(@niftyはWebからできるのに…)。 WebのFAQで見ると0077-779に掛けろと書いてあるが、0077-779で10分待たされた後、繋がってみると DION関係は0077-7192に掛けるようにと言われる。そちらに掛けて解約。 聞かれたのは本人との続柄、お客様コード、アカウント、料金コース、連絡先電話番号、それから 必須ではない項目として、「解約理由(他のプロバイダにするから)」「プロバイダ名(@nifty)」 の2つを聞かれる。特に争ってもしょうがないので素直に回答した。 その日の夜12時で全てのサービスをストップするとのこと。特に問題なし。 自宅へのコールバックはなし。お客様コードとアカウントが合えば本人認証はできるとのこと。 (でもその2つは毎月の請求書に並んで書いてあるので、盗み見すれば誰でもできるのだが…)
2/27(火) 家に帰るとeAccessから小包が届いている。中身はADSLモデム。 とりあえずできることはないので、放っておく。
2/28(水)
3/1(木) @niftyから、eAccessのADSL料金改定の予告メイルが届く。 4月から現状の6500円からさらに安くなるが、具体的な金額はまだ決まっていないとのこと。 というのも、@nityはキャリアにeAccessのほかにアッカ・ネットワークスを加え、 ここが5800円を提示しているためeAccessが追従せざるを得なくなったものと思われる。 が、まだ開通してない自分にとっては2の次の話。 3/1の夜からネットの調子が悪い。 アナログ電話に「プツ…プツ…」という音が 定期的に聞こえるが、これが悪いのだろうか?既に切り替わっているのか? とりあえず調子悪いなりに使えるので、アナログモデムのまま様子を見る。
3/2(金) 開通予定日。申し込みの日からは17日後にあたる(○営業日という数え方なら13日後にあたる)。 平均は12営業日(ISDN→アナログの変更期間除く)。ISDN→アナログの変更期間が2日 あったので本来は14営業日かかるはず。今回のケースは早いほうだと思われる。 会社は午後休暇を取る。 自宅に帰り、状態を確かめるが昨夜と同じプツプツ状態。 NTTに電話する。「eAccessのほうにお問い合わせください」と言われる。 (あとで判ったことだが、「NTT局内工事」とは、NTT局内でeAccessが工事することで、 NTTが作業するわけではない。NTTに電話したこと自体がおカド違いだった) 面倒くさいのでそのままダメもとでADSLモデムを接続してみることにする。 ちなみにパソコンとADSLモデムを繋ぐのはストレートケーブル。 自宅にはストレートがないことが判明し、買いに行く。 一緒にPLANEXのスイッチングハブも購入。 とりあえず繋げてみたら見事に繋がってしまった! これはもしかして3/1夜の時点で既に使用可能だったのでは?ちょっと悔しい。 早速速度を測ってみる。超高速。 昼間の閑散時には1,300Kbps(162KB/s)。 夜でも1,000Kbps(125KB/s)で通信できる。 ISDN時代の平均速度は56Kbps(7KB/s)なので、約17〜23倍にもなる。 (悲しいことだが、これは職場の平均よりも数倍早い)
3/3(土) RealPlayerでインターネットラジオを満喫してみる。 全然モタつくことなく聴ける。 D's Garage 21 のビデオクリップもスイスイ表示される。非常に気分がいい。
3/4(日) 自宅のデバイス全て(デスクトップPCが3台、ノートPCが1台、モバイルギア1台)が、 全てADSLでインターネット(WAN)に接続可能になった。 ただ、モバイルギアだけは、 通信速度よりもクライアント処理速度(JPEGの展開など) が遥かに遅いため、もの凄く速くなった感じはしない。その他のデバイスはもの凄く速くなった。 とりえあえず問題も出ないようなので、これにてADSL開通宣言!

ブロードバンドがやってきた!

フレッツISDNをわずか半年で捨て去ったわけですが、その甲斐もあったというもので、 ADSLの威力は驚愕に値します。OSOさんの「データ受信速度の計測」のページ( http://member.nifty.ne.jp/oso/speedtest/) を使った計測の結果が以下の通りです。

通信方法ISDN(公称64Kbps)ADSL(公称1.5Mbps)
テストデータ500Kバイト500Kバイト
受信時間71.68秒3.46秒
平均速度(バイト/秒)7Kバイト/秒145Kバイト/秒
平均速度(ビット/秒)56Kbps1,156Kbps
ISDN比1.0倍20.64倍
データは「典型」を使用。


このサイトは@nifty内のサイトで、私もプロバイダに@niftyを使っているため、 この計測結果には@niftyから外への接続速度が考慮に入っていません。 ただADSL回線自体のポテンシャルを測るにはこれでも十分と言えるでしょう。 @nifty以外のプロバイダで接続している人がこのサイトで測った場合は、同じ環境でも若干速度が落ちることと思います。

それにしてもこの結果は圧倒的です。ISDNと比較して20倍! この速度値は時間帯などによっても変化しますが、だいたい低くても1,000Kbps、高い時には1,300Kbps〜という 高スコアをマークします。いろいろ試してみた結果、通信相手側のサーバが酷く反応が悪い場合を除けば、 @niftyの外との通信でも問題なく高パフォーマンスであることが確認できました。例えば、 Microsoftのサイトから「Windows Media Player 7」(9,583,760バイト)をダウンロードしたときも わずか1分15秒(1,022Kbps)という好結果でした(ISDNだと25分48秒掛かる計算になります)。

前述の通り、どこかのサイトでRealPlayerのストリームがあったとしても、クリックに躊躇する必要はありません。 .ram .rm .mpeg .asx .mp3 .bmp など、ネットでは一瞬拒絶反応を起こしそうなファイル拡張子でも、 もはやあまり気にならなくなりました。ひどいところでは、 フリーで配っているftp版LinuxのCDイメージ(.iso) を丸ごとダウンロードしてCDに焼き込むようなこともやってしまいました(笑) TurboLinux6.0 Workstationのイメージは455MB、VineLinux2.1のイメージは616MBもあり、これらは流石に 落とすのに1時間以上掛かりましたが、でもそれくらいで済んでしまうところが恐ろしくもあります。 なにぶんADSLは定額制ですから、接続時間を気にすることもありません。 なるほど、こうなってくるとWarez(ネット違法コピーソフト)という概念が在るのも理解らなくはないですね。 もちろん本当に商用ソフトをコピーしたら犯罪ですのでご注意ください。

なにはともあれ、快適なネット環境が我が手に落ちました。そういえば米国の調査会社から面白い調査結果が 発表されています。ネットをよく使う若いADSLユーザは、

ADSLをやめるくらいならコーヒーやタバコをやめて
ネット接続料金を捻出するほうを選択する


そうです。高速ネットは半中毒化する、 そのくらい便利で手放せないというわけで、なるほど思い当たる節もあります。

ブロードバンドのほんの入り口?

もう1つ、違った視点で見て気がついた点があります。高速ネットを手に入れると、とかく「これで大容量のファイルもOK!」 という利点ばかり想像しがちですが、本当のメリットは、実はデータ量の少ないサイトを どれだけ短い時間で表示できるか、 という点にあります。例えばasahi.com のトップページを全部表示するのにどれだけの時間が掛かるでしょうか?このページが2秒で表示されるのと、 20秒掛かるのでは、WWWそのものの使い勝手が大幅に違うというわけです。ブロードバンド、ブロードバンドと 騒がれている現在、近未来の音楽や動画のストリーム配信ばかりに目を奪われがちですが、 一方で「従来のWeb」を快適に使うに当たっては、ブロードバンド以前の回線で本当に十分だったのでしょうか? 答えは「否」だと思います。アナログモデムやISDNで

1ページを表示するのに15秒〜30秒もかかる状態


は、決して「正常な状態」ではありません。そう考えると、 ADSLでは「ボタン(リンク)をクリックしたら、次のページがパッと表示される」 という、実はたったそれだけのことが、我々にしてみればブロードバンドで得られる一番の恩恵なのかもしれません。 逆にADSLの速度では、無理して、はしゃいで、ストリーミングを楽しむことには、それほど意味はないのかもしれませんね。 先の言い回しに倣えば、ADSLでストリーミングを「一生懸命」楽しんでいる状態は決して「正常な状態」ではないのです(笑)

ちなみに皆様もご存じの通り、ADSLは一般的には「FTTHが普及するまでの繋ぎの技術」と言われています。 FTTHとは「Fiber To The Home (家庭に引き込む光ファイバー)」のことで、最低10Mbps、早いモノでは100Mbpsという 超高速の通信を可能にします。ADSLの現在のパフォーマンスは1.5Mbpsですから、まるでISDNとADSLを比べたときと 同じくらい、FTTHは圧倒的にADSLに勝ります。現在ごく一部の地域で実験あるいは商用のサービスが始まっていますが、 これが普及し始めるのはおそらく来年から少しずつ、といった感じでしょう。 FTTHはもしかしたら、ストリーミングを「正常に」楽しめるインフラ になるのかもしれませんね。そちらの動向にも是非期待します。

さて、我が家ではADSLの導入から少しして、Linuxサーバの起ち上げも行いました。このLinuxサーバには家庭内のファイル 交換・蓄積サーバとしての役目のほか、外部に公開する自宅WWWサーバとしての役割も背負ってもらうつもりです。 そのお話はまた別の機会にこのFreewalk Avenueでお話しします。

最後に、会社の先輩にADSLを導入したという話を一通りしてみたところ、こんな一言を賜りました。

「いいなぁ〜、こんな形でもデジタルデバイドは進んでるんだなぁ」


デジタルデバイドとは、情報化の恩恵を受けられる人と受けられない人で、社会的な有利不利が発生することを指します。 通常は、情報機器を上手く使える人と上手く使えない人、という分け方をしますが、今回のように、 ブロードバンドの提供地域とそうでない地域、という形で、利用できるインフラに有無を言わせず格差が出来てしまう のも、また違った形のデジタルデバイドと言えるでしょう。私はわりと早い段階でこのインフラを手に入れることが出来た ことを感謝しつつも、ADSL、FTTH、あるいは高速ケータイIMT-2000のようなインフラが、できるだけ早く多くの人に 恩恵をもたらす社会が来て欲しいと、そう願っています。

綺麗にまとまったところで :-) 今回はここまで。次回はおそらく Linux と 自宅WWWサーバ のお話です。

 

ご意見、ご感想は、 とらんぱ伝言板 または、 C-KOM(c-kom@mbf.nifty.com) まで。

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