読者を意識した情報発信のメリット - 情報発信者の予習効果

2005/08/14

日曜コラムです、こんばんは。
このコラム、先週までビシビシ飛ばしまくっていたような気がしますが、
今週はちょっとお盆休みのんびりモードで失礼します。
 
例のプレゼント企画 に寄せていただいたコメントを拝見していたのですが、
予想以上に、「毎週のコラム、楽しみにしています」 とおっしゃって
くださる方々が多くてビックリしています。ブログの著者としてこれ以上の
喜びはありません。本当にありがとうございます。
 
振り返ってみると、この日曜コラムが定常化してきたのは、
2005/01/30 あたりからです。リオワークス企画やサン電子企画などの
特別な企画があった週を除くと、ほぼ半年間、まとまったコラムを
書き続けていることになります。
 
更に、全記事のアーカイブリスト を取り出して、本日から遡って最後の
未更新日を確認してみると、2004/09/13 であることが判ります。
つまり、あと1ヶ月更新を続けると、晴れて 365日連続更新
達成する運びとなります。私にとってもこれは当面の大きな目標です。
 
 
よく言われることですが、ブログを書き続ける ということは、
簡単そうに見えて案外と難しいものです。それなりに自分自身の中に
ブログを書き続けることへの動機付けが為されていなければ、
なかなか何ヶ月も休み無く続けられるものではありません。
 
私は、ブログの文章には、
 
 A) 自分の考え/気持ちを、そのまま鏡映しに するもの
 B) 読者を楽しませるため に、意識して内容を練るもの
 
の2つの異なった性質が同居していると考えていますが、
Bのタイプが強く出た文章であればなおのこと、文章の作成には
どうしても、少なくない労力が掛かってしまいます。
 
文章の「読み物としての面白さ」を意識すること、それは、
 
 そもそも読んで貰うために必要な努力
 
です。しかし、それだけの努力を払った結果として、ブロガーは一体
何を得ることができるのでしょうか。その答えの1つは、以前記した
「情報をめぐるポジティブ・ループ」 でした。
 
■2005/06/19 [情報をめぐるポジティブ・ループ - ギブアンドテイクの波
情報をめぐるポジティブ・ループ - ギブアンドテイクの波]
■2005/06/26 [情報をめぐるポジティブ・ループ - 関係と信頼という名の財産
情報をめぐるポジティブ・ループ - 関係と信頼という名の財産]
 
情報を積極的に発信して他者の目に触れさせることで、発信者自身が
他者の意見を取り入れて成長できる、それと同時に、情報の提供者としての
信頼を時間と共に積み重ねていくことができる、というお話です。
 
 
実は今日の本題は、これからお話する もう1つの効果 のことです。
こちらは 「情報発信者の予習効果」 と名付けることにしましょう。
 
私は普段、PC系のニュースサイトなどで気になったネタを拾い、それについて
自分の意見をブログ記事として書き記しています。ネタにしようと思う
くらいですから、参照元のニュースサイトの記事には記されていない
「あーんな点」「こーんな点」 にツッコミ入れようかなぁ~、
という主だったストーリーは頭の中でどんどん形になっていきます。
 
ところが、その段階になって必ず、こんな不安が 頭の中をよぎるのです。
 
 『 あれっ? この元記事に載っている 「○○○」って略語は何 だろう?
 これを知らないでブログ書いているのって、マズくない? 』
 
 『 この製品レビューを読む読者が一番知りたいのは、ライバル機との比較
 だよね・・・。って、この製品のライバル機 って一体どれよ?? 』
 
 『 この会社は 他にどんな製品 を作ってたっけ? とすると、
 この製品はこの会社のラインナップ上、どんな意味を持っているんだっけ? 』
 
・・・などなど。私はこうした疑問が涌いて来るたびに、
 
 必死になってGoogleと格闘する羽目になります。
 
実際、記事を書いている時間よりも、その前準備として
周辺知識を仕入れるための時間のほうが遥かに長い のです。
(そういうヒトいませんか! ・・・・私だけですか!)
 
こうした行為は、私の知的欲求を満たすために自主的にやっているという
側面も勿論あるでしょう。しかし、それは1つめの理由に過ぎません。
もう1つの理由は、その1つめの理由の裏返しになります。すなわち、
「多数の読者の目に触れる文章を書く」というプレッシャーが、
 
 発信者自身に自主的な予習を「強要」している
 
という側面です。いや、強要されている時点で自主的でも何でもない
ワケですが、発信者は多数の読者に見せても恥ずかしくない記事を書こうという意識から、
多かれ少なかれ、前もって出来る限り周辺知識を調べて、そこから話を膨らませたり、
ストーリーを補強したり、といった作業を記事作成時に行うことになるのです。
 
「情報をめぐるポジティブ・ループ」では、発信者と読者が情報のキャッチボールを
するごとに、発信者が成長していくというお話をしました。ところがところが、
多数の読者を意識した情報発信者は、読者とのキャッチボールを行う前から、
Googleなどを利用した予習を行う習慣がついていきます。つまり
 
 読者の目を明確に意識する、
 
ただそれだけで、発信者自身の成長は加速されていくのです。
そこへ更に前述の「ポジティブ・ループ」が加われば尚嬉しいことは言うまでもありません。
 
私がブログを書き続けることに強いモチベーションを見出した1つの理由が、
この「予習を強要される」ことがもたらすメリットに気が付いたことでした。
 
常に新しい情報に敏感になること。そして、その新しい情報を理解するために、
周辺知識を自ら進んで取り入れること。それはとても面白いことでもありますし、
一方では、自らに課さなければならない学習ノルマと考えることもできます。
 
ブログを書き続けるということは、その対象(ジャンル)が何であれ、
「よく調べ、よく考え、よく学ぶ」という大切な行動に直結しているのです。
そう考えれば、ブログはいわば「人目に晒すことで自分を鍛える道具」といえます。
 
自らが考えた文章を、毎日毎日、多数の読者の目に晒すということは、発信者本人
にとって刺激的であり、かつプレッシャーにもなることでしょう。逆に言えば、
「情報発信者の予習効果」のために、このプレッシャーは是非とも必要なのです。
 
そんな風に考えれば、多数の読者に向けたブログを書き続けるということも、
ちょっと刺激的なチャレンジ だと思えてきませんか?


2005/08/14 [updated : 2005/08/14 23:59]


この記事を書いたのは・・・。
CK@デジモノに埋もれる日々 @ckom
ブログ「デジモノに埋もれる日々」「アニメレーダー」「コミックダッシュ!」管理人。デジモノ、アニメ、ゲーム等の雑多な情報をツイートします。




« 全身ステンレス?! 硬派なキーボードはお値段も半端じゃない!

トップに戻る

買ったその日には用済み? 電化製品「外箱」の一期一会 »


▼ はてなブックマークのコメント ▼



Vの数字:VTuberの配信のいまを「生配信」「編集動画」「ショート」の分類と配信時間から読み解く試み


【にじフェス】ライバーとリスナーが互いの「実在性」を確認し合った日 ~「にじさんじフェス2022」 in 幕張メッセレポート


「にじさんじ甲子園2022」熱狂を駆け抜けた1カ月。充実した「解説」がエンタメを加速する


トウカイテイオーと、#ウマ娘 でまた巡り逢った。テイオーを追ったリアルタイムの記憶。


映画は2回目が面白い! 僕らは鑑賞者という名の「共犯者」 ~映画鑑賞に於ける慣れと鑑賞技術の関係


「爆音上映」と「辛口ブーム」、映画の上映に於ける音量のラベリング


日本シリーズの最後のシーン(西岡選手の守備妨害)の解釈と、スポーツのルールとコントロール


モノクロレーザーのある生活 - とりあえず印刷(だ)して持って行く習慣


「スマートビエラ」が踏み抜いたというARIBの「放送の一意性確保」ルール


終わってしまった「Amazonガチャ」のサービス検証 - 変われる道はあったのか?


ドリフの思い出と"おとうさん"の言葉 - 「俯瞰的錯誤」のお年頃


「同い年の選手」が引退するニュース、そしてアニメの中の「おじさん」

ピックアップタグ




ブログ内検索



▼ コメント ▼

No.1549   投稿者 : ha-   2005年8月15日 04:24

ずっと思ってたんですが、文字が小さくて長い文章が読み辛いと思うのは僕だけでしょうか?Doblogの時の文字の大きさぐらいが見やすいんですが。


No.1553   投稿者 : CK   2005年8月15日 22:36

●ha-さん
Doblogの頃とは大きさを合わせていたつもりだったのですが、
多くの方々から小さすぎたというご指摘を頂いております。スミマセン(;´Д`)
 
大きくしすぎると過去記事がグチャグチャになったりする関係上、大幅にはいじれないのですが、
本日少しだけ文字を大きくする変更を行いました。これで少しは緩和されていると良いのですが・・・。


No.1555   投稿者 : 剣士   2005年8月16日 08:33

エクスプローラの文字サイズ中くらいが読みやすいのでこの頃はそれに私はしてます^^

読みやすい文字、画面サイズって難しいですよね~

昔はノートの800*600が標準でしたが
今はノートでも1024*768が標準っぽく

殆どのサイトが1024でしょうか^^;
たまに1280*1024?とかでどうやっても辛いのも存在してはいますが・・・


No.1567   投稿者 : CK   2005年8月23日 09:09

●剣士さん
読み易い文字の大きさというのは本当に難しいですねぇ。
IEは1~2年前くらいまでは「最小」で使うのが優勢だったような気がするのですが、
今は「中」で使う方がだいぶ増えているようですし、それ以外にFireFoxやOperaでも・・・(泣)
 
画面サイズについては、私はXGA(1024x768)を最低基準として、横幅900pxを指定しています。



★コミックダッシュ! 10,000人突破ありがとうキャンペーン!(9/18~10/23)
 
デジモノに埋もれる日々 : (C) CKWorks