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(※ 現在は長時間再生可能な大容量SDカードが判明しています。詳しい情報は 長時間再生SD へ。


 ■ ようやく買えた!512MB SDカード「RP-SDH512J1A」

当初、512MB SDカードの発売予定日は2002年1月21日でした。 その日、様々な店を訪れては、未入荷であることを告げられ、ガッカリしたものです。 大容量SDカード発売延期の理由はいろいろ噂されていますが、 多くのカードリーダで思ったほど速度が出なかったからだとか、 幾つかのカードリーダでファイルが消えたりする不具合が出たからだとか、 実際のトコロは良く判りません。 あれから待つこと4ヶ月半、ついに、ついに手に入れることが出来ました。 6月7日、W杯のチケットを受け取りに有楽町に出向いていた私は、 有楽町駅前のBic P-kanでそれを発見しました。価格は45,800円。 というと、Exrouge本体の3倍の価格ですから、ちょっと複雑な気分です。 棚を見る限りは最後の1つでしたから、入手できたのはとてもラッキーでした。

さて、早速持ち帰ってRP-SDH512J1Aのテストをしてみました。 一部で既に話題に上がっているように、Exrougeでの使用も全く問題はありません。 このあたり、実物もなくスペックシートだけで完全対応したIO.DATA(というかDNA)には頭が下がります。 かくして512MBの大容量を得たExrouge。512MBというと、 128Kbpsのデータでは8時間50分、 192Kbpsのデータでも6時間ぶんの音楽が収録できます。 私は160Kbpsでデータを保存していますので 約7時間が1枚のSDカードに放り込めます。

この容量になるとプレイリスト(曲順リストを幾つか作って、選択→演奏できる機能)が必須では? と想像していたのですが、実際に使ってみると、プレイリスト機能が無くてもそんなに不満はありません。 例えば、160Kbpsのデータで512MBを埋めると90曲くらいが収録できるのですが、 この場合聴きたい曲に合わせるのにどのくらいの苦労が掛かるでしょうか? 全リストを大体把握していることを前提とすると、お目当ての曲にたどり着くのに 「<<」「>>」のどちらを押せばよいのかは大体わかります。 すると最大で45回、平均で23回曲飛ばしをすることで、お目当ての曲にたどり着きます。 実際20曲くらいを飛ばしてみると判りますが、そんなに苦痛な作業ではありません。 MDを入れ替えることに比べたらずっと簡単ですし、Exrougeでプレイリストを実装するにしても、 ポケットから出して、あのJOG-Pから入るメニューで液晶を見ながらプレイリストを入れ替える ことを考えたら、自分で曲飛ばしをしたほうがずっと楽に思えるでしょう。 512MBでもプレイリスト無しで快適に使える! これはある程度確信になりました。


 ■ 転送速度は「128MB MMC並」。ちょっと期待ハズレ。

さて、512MB SDカードのもう1つの利点は、書き込み速度の向上であると言われています。 大容量(512MB, 256MB)SDカードは、スペック上では従来のSDカードの5倍、 10MB/秒のポテンシャルを持つとされており、その辺りが実際にどうなっているか注目されていました。 それでは、実際に測定してみた結果をご覧ください。

転送方法 MMC 64MB SD 128MB MMC 128MB SD 512MB
Exrouge直接転送 123KB/秒 148KB/秒 157KB/秒 145KB/秒
USB SDカードライタ 291KB/秒 395KB/秒 601KB/秒 604KB/秒
PCMCIA SDカードアダプタ 415KB/秒 583KB/秒 1,170KB/秒 1,092KB/秒
USB SDカードライタはmaxellのUA5を使用。
PCMCIA SDカードアダプタはPanasonicのBN-SDAAP3を使用。

この結果は正直言いましてショックでした。旧来の128MB SDカードを上回っているものの、 128MB MMCと比べると全く変わりません。512MB SDカードのスペックは最大10MB/秒、 128MB MMCのスペックは最大3MB/秒ですから、3倍以上の差があっても不思議がないのに、です。 現に私もPCカードでの書き込みは3MB/秒の速度を期待していましたが、 残念ながら期待の1/3という結果に終わりました。 この速度で書き込むと、512MBを埋めるのに最速でも10分は掛かります。 USBカードライタであれば20分は掛かるとみておいた方がよいかもしれません。 これが、大容量SDカードのポテンシャルそのものを表しているのか、 それともカードライタのほうが大容量SDカードに対応し切れていないのか、 本当のところは判りません。 しかし、PCカードタイプのほうは、Panasonicのカードライタですから、 大容量SDカードの本来の力が出ていない、とは信じたくないところです。

ちなみに、USBケーブルで本体に直接転送した場合は、 平均145KB/秒と、従来のSDカードと同じ程度になり、 MMC 128MBに後れを取る結果となりました。 この速度で512MBのメディアを全て埋めるデータを転送すると、 ちょうど1時間程度掛かります。 この大容量メディアの時代に、 もはやUSBケーブル経由の直接転送は現実的ではないと言って良いでしょう。


 ■ 一瞬、目を疑う「連続再生時間」

もう1つ、連続再生時間についても測定する必要があります。 スペック上の電圧では、大容量SDカードも従来のSDカードも、 2.7〜3.6Vで差はありません。しかし…、


連続再生時間電池(Panasonic)
128MB SDカード8時間32分LR03GK
128MB MMC17時間16分LR03GK
512MB SDカード5時間02分LR03GKY

実際にはなんとも惨々な結果に終わりました。 MMC 128MBと比べれば約1/3以下になってしまいます。 1つ注意すべき点として、今回は前回使用した電池と型番が異なっていますので、 その影響は未知数なのですが、電池のスペックはむしろ若干上がっていハズですので、 やはり512MB SDカードの消費電力が大きいのでしょう。 (電池の違いについては、暇があれば再度GKYで統一して測定してみます)。 アルカリ電池を利用している方にとっては、これは重大な問題になります。 とりもなおさずこれは、MMC 128MBを使っている時に比べて 電池代が3倍以上になることを意味しています。

私のように、充電池を使用している方にとっては、これはそれほど大きな問題にはなりません。 私はだいたい1日3時間程度Exrougeを利用していますが、充電池で512MB SDカードを使っても、 このくらいの時間で電池が切れるようなことはありません。2本の充電池を一日置きに使っていれば、 外出中に電池を取り替えなければならないような事態はそうそう起こり得ません。 こう考えると、512MB SDカードを使う場合は、 「アルカリ電池で出来るだけ長時間引っ張って…」と考えるより、 割り切って充電池を使ってこまめに取り替えた方が良いと言えるでしょう。 少なくとも、アルカリ電池1本で2週間保った、 というようなExrougeの利点は大容量SDカードの時代には通用しません。


 ■ 大容量は嬉しいが、ちょっと複雑な気分

転送速度が従来通り=期待ほどではなかったこと、 および、連続再生時間が大幅に削られてしまうこと、 の2つの欠点について上記では触れました。 問題は「大容量」という本質的な利点とこれらの欠点のトレードオフですが、 私は大容量の利点のほうが大きいと感じています。

最初にも触れましたとおり、160Kbpsでは約7時間の音楽、 つまりCD約6枚ぶんの音楽データが記録できます。 今までの128MBではCDが2枚入るかどうかというレベルでしたので、 往復の通勤時間で全て聴き終わり、音楽が「2週目」に入ってしまいます。 それに比べ、512MB SDカードでは音楽が、 湧き出る泉のように溢れ出てきますので、同じ音楽を何度も聴いて退屈するようなことはありません。

私は好きな曲(主にシングル)を512MBぶん丸々(90曲程度)転送しておいて、 それを「RANDOM REPEAT」設定で聴くというスタイルがお気に入りです。 なにせ90曲ものデータが入っていますので、何の曲が出てくるか想像も付きません。 この予測不能感は まるでラジオ番組を聴いているような錯覚を覚えます。 しかも「好きな曲だけ流してくれるラジオ番組」です。 これは是非みなさんにもオススメします。

大容量SDカードは、4万円以上という高価なメディアでありながら、 なかなか「どれを取っても完璧!」と言えるメディアではありません。 しかし、Exrougeで512MB、6時間以上の音楽データを記録できるようになったことは、 素直に喜ぶべきことだと思います。私も512MBを手に入れたことにより、 今までよりずっと良いExrougeライフを体感しています。